アキアカネ

ITOUさんの菜園でアキアカネを見る。

かつて、秋になれば稲田の上を飛び交う無数のアキアカネを見ることが出来たし、住宅地でも沢山のアキアカネの飛行を見ることが出来た。

もう半世紀近くも前のことだが友人と京大芦生演習林に潜り込んでキャンプをしたことがある。


この時夕暮れ前の空を、大げさに言えば空が暗くなるほどのアキアカネが群飛するのを見たのだ。
こんな群飛の光景をそれ以来二度と見ることはないが、それでもそれなりの数の飛行は見ていた。

それが最近では群飛はおろか、一度に数匹のアキアカネの飛行を見ることもない。
1990年代後半から全国各地でアキアカネは激減していると言われている。
その原因の一つが農薬「イミダクロプリド」、「フィプロニル」とのことだ。


アキアカネ等の生息状況を知るため、大津市でも昨年ボランティアを募って「あかとんぼ」の調査が行われた。
滋賀県はトンボの種数は全国トップレベル(99種)、この内アカトンボ属は17種。

場所によってはこの2・3年来アキアカネの個体数が回復傾向にあるとも報告されているが、滋賀県ではどんな状況なんだろうか。

もう一度空を暗くするようなトンボの群飛を見たてみたいものだ。
芦生演習林へ潜り込めば見られるだろうか。
半世紀前は簡単な手続きで入山出来たが、今では厳しい管理がなされていて潜り込むのは容易ではないとの由、また仮に入山が許可されても山歩きがきつくなっている老兵なのだ。
記憶の中にあるアキアカネの群飛を見る、許されるのはこれくらいだろう、寂しくなる。