ミズイロオナガシジミ

龍谷大瀬田キャンパスで講座のある日だ、早めに家を出て県立近代美術館ギャラリーで開催されている「第47回滋賀県写真家協会展」を見にゆく。
その帰り道、龍谷の森に潜り込んでみた。

ミズイロオナガシジミオオスズメバチを撮る。


オオスズメバチはコナラの根元の小さな洞に頭を突っ込むようにして木を囓っているのだ。
警戒線ギリギリまでレンズを近づけても顔を上げることもなく作業を続けている。
何のための作業なんだろうか。
巣作りの為の材料を集めているのだろうか。

さすがに至近距離までレンズを近づけると近寄るなと警告音を発してくる。
顔を上げクチバシをカチカチ鳴らすのだ。
これを聞くと急いでカメラを引き後退する。
真正面からのポートレートが欲しくて何度も試みるが思うようにはならない。
何度目かの至近距離狙いの時、警告音だけでなく威嚇の為の飛び立つ体勢になった。
これを合図にその場を離れた。コイツにだけは刺されたくない。


ミズイロオナガシジミはこの時期クリの花に吸蜜に来ることと、龍谷大瀬田キャンパスの駐輪所のすぐ側に大きなシバグリの木が在ったことを思い出し、キャンパスに引き返した。
残念ながらミズイロオナガシジミを見ることは出来ずだった。
そこにいたのはジョウカイボンとヒカゲチョウのみ。

「ミズイロオナガシジミの活動時間帯は早朝と夕方じゃなかったでしょうかね」
もう一人の自分が嗤っていた。