読書ノート(8)

先日手に入れたままになっていた「狩蜂図鑑」田仲義弘著(全国農村教育協会)を読む。
「アリの巣の生きもの図鑑」を購入する時ついで買いのように買ったものだが、読み始めると想像していた以上に面白いのだ。

狩蜂観察の土台となる基礎知識の解説(序章)から始まり、交尾、営巣、狩り、獲物の運搬、搬入方法、孵化、幼虫の成長などをソトジガバチを例に解説している。
また、狩蜂をこれから観察・撮影してみようとする人の為に、狩蜂観察のコツも分かりやすく書かれている(3章)。
それに何と言っても狩蜂150種、その他のハチ70種の写真(2章)が素晴らしいのだ。
私には初めて見る狩蜂の生態写真ばかりだったからワクワクしながら眺めていた。

巻頭ページに掲載されている、オキナワアナバチが自分よりも大きなハネナガイナゴを巣穴に運んでいる様子を撮る為、この狩蜂の巣穴の前で1時間40分も待っていたという。
しかもそこは7月下旬の奄美大島の炎天下なのだ。

著者は膨大な狩りの瞬間を撮っている、これらをものにするための待ち時間、想像するだけで身震いする。
老兵も万分の一でもいいから真似してみたいものだ。