冬のカマキリ

階段下の道路の掃き掃除をしていてオオカマキリの屍体を見つけた。
今朝見付けたということは昨日まで生きていたということだろう、屍体は未だ新鮮だ。

カマキリの落ちている場所の上には木蔦やヤツデの葉が茂っている。
擁壁の上の木蔦はこんもりと茂っていて雨除けや防風には最適だろうから、昨日までここに身を隠していたに違いない。
それにしても12月の終わりだ、こんなに遅くまでカマキリが生存していたとは。
飼育されているカマキリは別にして、自然界で寒気の厳しい12月終わり近くまで生きているということは非常に稀なことではなかろうか。

今年も庭先では二度ほどカマキリの孵化を見た。
数えきれないほどのカマキリの幼体を見ていたが、それらが世代交代を重ねて行き、その最期の一匹が今目の前に横たわっているカマキリなのだろう。

冬のカマキリ、そしてその死。
擬人化してしまいそうでちょっぴり寂しくなっていた。

夕方の散歩に出た折今朝方のカマキリのことを思い出し、雑木林や谷間の畑の道筋でカマキリの卵嚢を探してみたが見つからずだった。
四時半を過ぎ夕闇が迫ると急速に寒気がつのる、急いで帰路についた。

散歩の折には卵嚢探しを続けてみよう。