肌寒い朝

少し風のある肌寒い朝だ。
朝の散歩に出ようとして階段でトカゲを見る。
寒さの所為か近づいても逃げようとしないのだ。体温を上げるために日向ぼこしているようだった。昨夜の気象予報では最低気温は15度だったが恐らくそれ以下のように思える。

トカゲが活発に行動するための気温は最低何度が必要なんだろうか。


石塀の上にホウジャクを見つける。

指先でそっと触ってみたが飛び立たずだ。
このホウジャクも飛び立つための体温の上昇を待っているのだ。
飛び立たないのを幸いにポリ袋に入れて持ち帰った。

ホウジャクを捕まえたのは初めてだ。昆虫採集が趣味だったら標本箱にピンナップするのだろうがそんな趣味はない。
陽当りの良い南側の窓辺に置きいつでも飛び立って行けるように窓を少し開けておいた。

何という名前の花か知らないが草むらで見つけレンズを近づけた時、花びらの中にセセリチョウがいるのを見つけた。
このセセリチョウも動かなのだ。
何枚かシャッターを押した後、花びらを抓んで広げてみてもセセリチョウは動き出そうとしない。よく見るとセセリチョウは死んでいるのだ。

秋が深まってゆくにつれいろんなものが活動を止めたり姿を消してゆくのだ。

散歩から帰ってみるとトカゲは姿を消していた。
また書斎に来てもらっていたホウジャクも気がついた時にはいなかった。