疲れた一日(2)

京都光華女子大学真宗文化研究所主催の講座に出掛けてきた。
演題は ”「リグヴェーダ」を読む・・ヴァスィシュタとヴァルゥナ・・”
講師は後藤敏文・東北大名誉教授。
講座案内のハガキにあった後藤先生のコメント「・・・・・・今回は祭官ヴァスィシュタが夜の太陽を歌う讃歌を見たいと思います」に誘われて参加することにしたのだ。

講義を聴き始めて間もなく、異質な世界に迷い込んだような息苦しさを感じ始めていた。
何とも話が難解なのだ。
それに講師の話し方が相当な早口なのだ、その上教室へ入る時間が遅かったから一番後ろの席だ。難聴気味な老兵には重装備をして行軍させられているようだった。

私が持っている「リグヴェーダ」やバラモン教、アーリヤ部族のこと、ミトラや祭祀儀礼のことなどの僅かな知識では、正直話しについてゆくことが出来ないのだ。
かなり高度なリグヴェーダ等に関する知識を持っている人ならば、話しされる細部のことも理解できて面白い内容ではと思いながら、居眠りもならず90分呆けていた。

この講座の後、家に帰れば直ちにカメラ機材を持って飛び出すつもりだった。
目的地は長等公園(大津市)。此処で午後6時から「大津京・鎮魂のあかり」という祭典があり、5,000個の色とりどりの明かりがともされるのだ。
これを撮りに行く計画だった。
しかし中止だ。講座の後の何とも表現のしようのない疲れが噴き出しているのだ。
疲れた一日だった。

それでも少しだけ救われた気分になったのは、帰り道で虫たちを見てザックからカメラを取り出してからだ。


玄関先のタカサゴユリルリタテハの幼虫もいた。