クサキリの死

今日は二十四節気の一つ、白露だ。
朝早く木陰の草叢に入る。素足にサンダル履きだ。朝露の冷涼感が何とも言えず心地良い。
木陰を出ると陽射しはまだまだ肌を刺す夏日だ。日陰を選んで歩かなければならない。

夏が逝く痕跡の一つを路傍で見る。

クサキリの死だ。
百日紅の花に見とれていて危うく踏み潰すところだった。

百日紅の赤い花を見る度に、地蔵川米原市)の梅花藻を撮りに行きたい、そんな思いを持ちながら果たせずにいる。
地蔵川が遠くなっているのだ。2・3年前までだったら名神高速をぶっ飛ばしただろうが、どこか億劫になっている。
夏の終わりの地蔵川では、川沿いに植えられた百日紅の花が落下して、川面に顔を出している白い梅花藻に流れより紅白の美しい光景を見せてくれるのだ。
過去にも2度梅花藻撮りに行ったが満足出来ずにいる。
防水機能のあるコンデジを手に入れたのも、アクリル製の水槽を手に入れたのも、梅花藻撮りが目的の一つだった。
それなのに今では地蔵川が遠くなっている。月日が経つほどにますます遠くなるのだろうか。

アサガオの花にいたキリギリスを見る。

クサキリの死、夏が逝く。