陽射しは未だ厳しいがそれでも夏の終わりを知らせるものが、路傍のあちこちに転がっている。それは落ち蝉であったり、カマキリ、バッタ、カナブン等の骸だったりだ。
季節が逝くのだ。
一年のうちで最も挽歌の似合う季節なのだと思う。
ショウリョウバッタの死を3体見た。
その骸のいずれにも小さなアリ、アミメアリが来ていた。
冬に備えての食料集めが行われているのだ。
バッタの躰をバラバラにしようとしているアリの群れもいた。
そのうち1匹のアリが食い千切った翅を運び出し始めた。
驚くほど早い動きで巣に向かっている。
3メートルほど先のブロックの擁壁にアリの巣があるのだ。
巣作りのために運びだした土が積まれている。
巣に向かって一直線とはいかずあっちにウロウロこっちにウロウロ、時たま風に流されることもあるが、確実に巣に近づいている。先日バッタの翅を運んでいるのを見た時は複数のアリが共同作業をしていたが、今回は終始一匹の行動だ。
ブロック擁壁の間に造られているアミメアリの巣はどんな様子なんだろうか。
見てみたいものだ。
アリとキリギリスのイソップ童話を思い出していた。