那智の滝無慙

南紀への2泊3日の小旅行の初日、雨の中の出発になってしまった。
近畿南部の天候も午後からよくなるという気象情報だったので、当初の出発時間を2時間ほど遅らせての出発だ。
家を出る時はそんなに酷い雨降りでもなかったが、鈴鹿越えでは土砂降りの雨、先々が心配になっていた。伊勢自動車道に入りしばらくすると以外にも道は乾いていたので一安心する。

初日の目的地は熊野三山だったが出発の遅れなどから、那智本宮大社は割愛だ。
熊野速玉大社にお参りした後、神倉神社へと計画していたが急な石段を見上げたカミサンの要請で見送り、那智大社に向かう。

昨年9月の台風12号によって那智の滝が被害を受けていたことは承知していたが、実際に自分の目で見るその痛ましさに驚いた。流されてきた倒木などはあらかた片付けられたとのことだったが、崩落してきた巨岩などは未だ手付かずの状態だった。

滝そのものがご神体と言われるだけに傷ついた姿は何とも無慙だった。

泊まりの宿は串本で。カミサンの選んでおいてくれた宿はこじんまりとしたホテル。
串本近海で獲れた魚の刺身も熊野牛も素材が良かったし美味かった。
白身魚と貝柱のきのこソース入りパイ包み焼き、この味にはおっ!と思った。
しかも食いしん坊は食べ終わった後次の料理が出てくるまで時間がかかったりするとイライラするのだが、全くそれを感じさせないグッドタイミングで料理が運ばれてくる。
早くもなく遅くもない、カミサンとの会話を中断されることもない、これほどの食べる人の呼吸・緩急を見計らった給仕で食事をしたのは初めてだった。