イラガの繭

ハクモクレンの冬芽が膨らみ始めている。
春が近づいていることを知らせるモクレンの冬芽やネコヤナギの白いふわふわの花芽を見ると、私にとつての虫撮りの季節が始まるといつもワクワクしている。

ハクモクレンの大きな木が植栽されているお宅(別荘)の石垣で、イラガの繭を見つけた。


桜の木や椿などの木に産み付けられたイラガの繭を見ることはあったが、石垣に産み付けられたのを見たのは今回が初めてだ。
モクレンも桜、椿、梅、ケヤキ、柿の木などのように、イラガの食樹の一つだと聞いたことがあるから、ハクモクレンの木の下の石垣に産み付けられて何の不思議もないのだ。

イラガの幼虫が毒毛を持っていることから書斎に来てもらうことを躊躇っていたが、イラガのことをWebで調べていた時偶然にも、昆虫写真家・新開孝さんのブログでイラガの繭から寄生蜂イラガセイボウが出て来たという記事を見つけ、書斎の飼育箱に来てもらうことにする。
昨年の夏スズバチの巣に穴を開けてオオセイボウがスズバチの幼虫に卵を産み付けるシーンを撮ったことがあるが、イラガの繭から寄生蜂が顔を出してくるところも撮りたいものだ。
極々僅かな幸運に恵まれて撮れることを念じていよう。
期待が在るということは老兵の気持ちを明るくするのだ。
カミサンには毒蛾のことはしばらくは伏せておかねばなるまい。