勝部の火祭り(2)

火祭りのハイライト・大松明炎上はあっという間の時間だった。
点火されてから燃え落ちるまで僅か一五分足らずだ。
燃え盛る炎の前で乱舞する若者たちをファインダーの中で追いかけ続けた。


三脚にはボールヘッドの雲台を載せ35-350mmを付けて祭りの進行を追いかけていたが、自由に左右に振れたのは最初の内だけだった。松明に火が点されると右からも左からもカメラが突き出され、体をねじ入れてくる人もいる、さながら昔経験した満員電車の様相だった。

カメラマンの割り込みや後ろから観客に押される心配のないポジションが2ヶ所ある。
此処に三脚を据えるためには火祭りの始まる六時間位前に到着していなければならないのだ。
一枚の写真の為に絶好のポジションを狙って早々に来ている人もいる。脱帽だ。