邂逅

旅の2日目の朝、早朝の出発で目一杯計画のポイントを周る予定だったが、出遅れる。
朝食は8時からなのだ。今まで撮影行でいろんな宿に泊まったが、8時というのは初めてだ。
一人旅だったら朝食をお握りにでもしてもらって飛び出すのだが、カミサンと一緒ではこれもならずだった。

この出発の遅れが思わぬ出逢いにつながった。
阿蘇の外輪山・大観峰の駐車場でNさんご夫妻にお逢いしたのだ。
Nさんは私の元上司、それに私が写真をやり始めるきっかけ作ってくれた人でもある。
阿蘇の山の上でお目にかかるなど「あっ」という驚きだった。
スケジュールの関係で短い立ち話の後、Nさんはバスへ私たちは車へ。

阿蘇外輪山のススキの穂はまだ若く満開の白く輝く穂波には遠かったが、車を止められる場所を探しては山々の風景を堪能した。
Nさんはバスの窓からどんな風景を狙っているのだろうか。

ちょっとした時間の差が邂逅を作り出す。
人と人の出逢いなどというものはこんな瞬間が全てなのかもしれないと思ったりする。
写真もそうかもしれない、一瞬の光と影がありそれを如何に逃さずに狙えるかだ。

沈堕の滝と水力発電所跡


一瞬の光と影を写し止めたいという想い、それを形にするテクニック、苦行だな。