雑録・雑想

老爺とコガタスズメバチ

階段の上り下りの時手摺を持つようになったのはいつの頃からだろうか。下り階段を踏み外しそうになったことがあり、それ以来用心深くなっているのだ。午後3時過ぎ、細かい日照り雨の降る中、買い物帰りの重い荷物を手摺に掴まりながら体を引き上げようにして…

小さな小さな田んぼの稲刈り

稲刈りが終わった後の田んぼの水溜りで、アカトンボなどの打水産卵が見られるだろうか、そんなことがふと気になってキジ撮りのフィールドへ出掛けるも、トンボの姿が全く見当たらないのだ。僅かにシオヤトンボを見かけただけだった。 アカトンボの打水産卵や…

佐川美術館へ行く

小雨の降る中、昆虫写真家・今森光彦の作品展が開催中なのを思い出して見に行く。これまでだったら写真展などにはカミサンとの二人連れがならいだったが、カミサンが昨年の初めに体調を崩して以来同伴もならず、一人ぽっちの外出になっている。 「いのちめぐ…

セスジスズメの幼虫を見た

2・3日前から30度を越える暑さがぶり返している。少しでも涼しい朝のうちに虫撮りに出掛けてみたいのだが、今年の春の終わり頃から午前中に一眠りするという妙な習慣がついてしまっているのだ。午後からは暑さに負けて出掛けられずの状態だから虫撮りもまま…

小さな小さなカタツムリ(2)

料理の準備をしていて、スーパーで買い求めた水菜に小さな小さなカタツムリがくっついているのを見付ける。地元産の水菜とは言え、収穫されてから店頭に並びそして我が家に来るまでには、少なくても3日ほどはかかっていただろうに、小さな小さなコヤツは至っ…

高速で翔ぶアオスジアゲハ

書斎の遮光カーテンを半ばまで開けた時、手すりにアオスジアゲハが止まっているのを見る。今期はこれまであまり見かけることがなかっただけに嬉しくなり、カーテンをそろりそろりと開けた。この行為がよくなかったようだ、ヤツは敏感に反応して翔び立つ。眼…

書棚の奥から見つけ出したもの

連日の暑さに負けて完全に呆けはじめている。万事億劫ということが極まっているのだ。カミサンの体調が元気な時の状態であれば全て放り出して夏眠に入るところだが、それもならずだ。呆け暮らしの防止薬にと思いある本を探していて、書棚の一番下の棚の奥で…

里芋の葉にくっついていたアブラゼミの抜け殻

ITOUさんの菜園に足を踏み入れた時は、風があったから暑さをさほどに感じなかったが、風がそよともしなくなると湿度の高い暑さが襲ってくる。イチジクの葉にいるキボシカミキリを見つけカメラを構えてからほんの僅かな間だったが、上半身がじっとりと汗ばむ…

梅雨空の下の物憂い日々

からっとした爽やかな晴れ間のない梅雨空の下の日々、肌にまとわりつく湿度の高いべとつくような暑さにまいっている。万事億劫なのだ。虫撮りにも行かず、読書もせず、呆け暮らしの日が続いている。今日もそんな一日で終わりそうだったので、呆け暮らしにピ…

スズランが毒草とは

玄関先のシロダモの木の下のスズランに、ポッンと青い実が1個ついているのを偶然見つけた。この青い実がどんなふうに変化していくのか、その様子を見たいとそのままにしておく。赤くなればどんな味がするのか味見しようと思っていたのだ。 植えた覚えのない…

夕立に逃げ帰る

昨日の蚊の襲来にこりていたから今日は蚊除け対策も十分にして、ITOUさんの菜園に行く。キボシカミキリの飛翔が再び見られるかもしれないと思い、撮影に万全を期すようにと、三脚、リモートレリーズ、マクロツインストロボ、100mmマクロ、180mmマクロ、35-35…

ブッドレアに来たチョウたち

庭先のブッドレアが咲き初めた。ノウゼンカズラもたくさんのつぼみを付けている。今朝、ブッドレアにチョウたちが来ているのを初めてみた。吸蜜に来ていたのは、ナミアゲハ、ツマグロヒョウモンのオスとメス、それにイチモンジセセリ。 ブッドレアは別名「バ…

思い出せぬことの多かりし

早朝に訪ねた鳥撮りのフィールドは、オオヨシキリの啼声もケリの声もなく、薄気味悪いほど静かだった。遠くの田んぼにいるチュウサギを見掛けただけで、全く鳥の姿はなかった。耕作放棄地のヨシも随分と背が高くなっているから見通しも悪くなり、目的のキジ…

ITOUさんの菜園にて

昨日の京都新聞朝刊一面の書籍広告欄で、昆虫写真家今森光彦さんの最新刊「小さな里山をつくる」の広告を見ていたこともあり、今朝早々とITOUさんの菜園へ行く。ITOU昆虫園と名付けているほど虫たちの多い畑なのだが、今朝はふわふわと菜園の上を横切ってい…

我も老い彼も老い

定期検診に出掛けた病院の待合室は、11時半からの受診予約だったこともあり、5人程の人がいるだけで3密の心配はまったく無かった。そのうちの一人に見覚えがあるように思い眼を凝らした。旧い知人のOさんだった。長い間お目に掛かることも無かったからその…

意外なものを見た

昨日は雨に閉じ込められた一日だった。書棚から引っ張り出していた「蟻の自然誌」バート・ヘルドブラー/エドワード・ロ・ウイルソン 著、辻 和希/松本忠夫 訳 (朝日新聞社)を読んでいたが集中力が持続しないのだ。僅かばかりのページを読んだだけだった。…

カラスアゲハとタニウツギ

ITOUさんの菜園をITOU昆虫園と名付けて虫撮りによく出掛ける。無農薬栽培の畑なので四季折々にいろんな虫たちが見られるのだが、今日は何故か虫たちの姿を見かけずだった。見掛けたのはセンサー付きのカメラ。何を狙っているのだろうか。この菜園で二度ほど…

アリの思い出

玄関先のシロダモの木の根元にスズランが生えている。コヤツの株を植えたという記憶は無いが年々その株数を増やしているのだ。そのスズランの葉の上にガガンボがいるのを見付け、150-600mmを取り外したカメラに100mmマクロを装着して持ち出す。鳥撮り用の重…

稚鮎捕りの人

早朝のキジの活動を期待して久しぶりに早起きしフィールドへ行くも、望みは叶わずだった。フィールドでは甲高いオオヨシキリの囀りが聞こえてくるだけで、複数羽のケリがいたがいつものようにスクランブルをかけてくることはなかった。 朝の散歩をする人が近…

稚鮎を釣る人

和邇川の土手道を走っていて稚鮎を釣っている人を見かけ車を停めた。サビキ仕掛けに丸ウキをつけた竿を出している。見ていると結構いいテンポで釣り上げていた。 稚鮎釣りを見掛けると決まって思い出すものに、この時季の琵琶湖での風物詩の一つ「追いさで網…

老兵走る

梅雨の晴れ間の素晴らしい陽光に誘い出されて昼下がりのフィールドへ行く。数日続いた薄暗い雨空から開放されたことが何もまして気持ちよかった。それにフィールドに入るなり甲高い啼声を上げてケリがスクランブルをかけてくるのだ。歓迎してくれているよう…

小雨の中のキジ

近畿地方が梅雨入りしたと発表のあった16日以来、雨に閉じ込められたように書斎でくすぶっていた。佐藤洋一郎の「イネの文明」を読んでいたがこっくりこっくりしている時間のほうが長いという、半ば以上呆け暮らしだった。どこかで区切りをつけなければ呆け…

天人五衰

「天人五衰」という言葉が何かの拍子にふいと頭をよぎることがる。今日も午前11時前午睡から目覚めた時、完全に目覚めきらない頭の中をこの言葉がよぎっていったのだ。朝の日課を終えてコーヒーを淹れ新聞を読んでいたが、物凄い睡魔に襲われこっくりこっく…

畦道を行くキジの夫婦

早朝、鳥撮りのフィールドに到着した時、一昨日キジの砂浴びを教えてくれた老爺は既に一仕事終えたのか道端の縁石に腰を下ろし休憩していた。 おはようございますと声を掛け、一昨日はあまり眼にすることが出来ないキジの砂浴びが撮れましたと、そのお礼を言…

赤い手押しの田植え機を見た

フィールドに入ると間なし2度ほどケーンケーンと啼くキジの声を聞く。その声を目当てに草むらに入り、あちこちと丹念に探したが姿は見つけ出せずだった。20分近くも経った頃、思いがけない草むらにいるのを見付ける。ヤツは一定の間隔で草むらから頭を出し周…

ナナホシテントウが来た

雨の一日、午後2時過ぎには雨も上がり明るくなってきたのでフィールドへ出掛けたいと思いながらも、老いた体は動き出しそうにないのだ。いつの頃からか意識と肉体が別行動する、そんな状態がしばしばあるのだ。思いが昂じても体が動いてくれない、こんな状態…

青いトラクターとムクドリ

今日は雨の一日、昨日撮った写真の整理をする。ヒバリの採餌やケリの飛翔、草刈りの作業風景、それに田拵えする青いトラクターとムクドリなど、面白いものが多かった所為で、900弱のショット数を撮っていた。30枚ほど残すのにけっこうな時間を喰われていた。…

野良仕事

午前中のフィールドはあちこちで草刈りをする人や除草剤を撒く人、一仕事終えて休憩する人、田圃の土手の修繕をしている人など見掛ける。目的のキジは姿も啼声も無かった。 鳥撮りの1枚はケリと草刈りをする人 農道に3脚を立て耕作放棄地の一角を一生懸命覗…

小さな小さな田圃の赤いトラクター

昼下がりの道を車が全くいないのを幸いに超スローで走っていて、未だ田植えの準備の始まっていない田圃の草むらからキジが顔を覗かせているのを見つけ、車を停めた。後部座席から重いヤツを引っ張り出し手持ちで1ショット。真っ赤で豊かな頬垂れを持つキジだ…

小さな小さなカタツムリ

庭に咲いていた藪椿を一枝切り取り一輪挿しに挿していて、小さな小さなカタツムリが葉っぱの裏にいるのを見つける。殻の大きさが2mmほどの孵化して間もない幼体だ。随分長い間虫撮りをしているが初めて見るヤツだった。 見つけた時は葉裏にくっついていて動…